日本のプロ野球で今年から適用されたコリジョンルールですが、問題が多く基準の見直しが検討されております。
新基準によってルールはどう変更されるのでしょうか?
審判にとって曖昧にしか判断できなかったことが改善されるようなルール改正になるのでしょうか?
そんなコリジョンルールの新基準について考察してみました。
コリジョンルールとは?
まずはコリジョンルールについてご説明します。
衝突ルール
コリジョンルールとは別名衝突ルールとも言い、ホームでのクロスプレーの際のキャッチャーと走者の衝突防止のために作られたルールのことです。
このルールの背景は、元々野球の本場アメリカメジャーリーグで2011年の公式戦での本塁クロスプレーによってキャッチャーが重傷を負った事故がきっかけでした。
この重傷事故で本塁クロスプレーに関する議論が高まって2015年にまずメジャーリーグで正式に衝突ルールが採用されることになります。
その後日本では阪神タイガーズのマートン選手の危険なタックルが問題視されて、2015年に12球団監督会議でヤクルトの真中満監督が問題提議をしました。
プレーヤーの大きな怪我の防止を望む選手会からも同等の意見が出され、日本プロ野球のゲームオペレーション委員会で検討されて、2016年1月に正式に導入が決まりました。
コリジョンルールの規則
大要は
1.走者の捕手または野手への体当たり禁止
2.捕手または野手の走者へのブロック、走路の封鎖禁止
3.送球が逸れる等やむを得ない場合、捕手または野手の走路侵入は許されるが、走者と激しい接触を避ける努力をする
4.球審が悪質で危険な衝突と判断した場合には、該当選手に警告または退場処分を下す
今まではキャッチャーが送球を待ち構えながら本塁へ侵入してくる走者をブロックする姿が多く見られました。
コリジョンルールによってこのキャッチャーの行為が完全にアウトとなっているわけであります。
きわどい本塁クロスプレーの際はキャッチャーの立ち位置が非常に難しくなってきます。
走者に向かってホームベースより体が前にいったらダメなのでキャッチャーにとってはとっさの判断に迷ってしまいますよね。
こちらは実際にコリジョンルールが適用されたシーンです。
阪神の原口捕手が見事に走者をアウトにしたかに見えたプレーですが、このプレーがコリジョンルール適用となり、ビデオ判定の結果、走者はアウトからセーフとなります。
理由はホームベースをまたいだからということでした。
これがダメとなるとキャッチャーにとっては立ち位置をとる判断が相当難しくなりますよね。
こういったジャッジが波紋を呼び、今年はたびたびコリジョンルールについて議論が交わされることになっております。
コリジョンルール新基準で何が変更されるのか?
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こうして現場からの不満の声が続出しているため、日本プロ野球機構(NPB)はコリジョンルール運用基準の見直しを検討しているとのことです。
それでは一体何が変更されるのでしょうか?
コリジョンルールの新基準
今のところわかっていることは、新基準では実際に衝突が起きたかどうかが重視されるということです。
つまりキャッチャーが走路に入ったとしても、衝突が生じなければアウト判定が覆ることがなくなるということですね。
ただしキャッチャーに対して警告を与える場合があるようです。
今まではキャッチャーが走路に入ったどうかがだけを基準にしていたので、明らかなアウトでも、走路に少しでも入ったと見なされればルール適用となり、ビデオ検証でアウトがセーフとなる判定がいくつかありました。
この見直しが適用されれば大きな変更点となります。
実際にこれまでにアウトからセーフに判定が覆ったプレーも、アウトのままという試合もあります。
こうして今年から始まった新ルールがシーズンの途中で変更になる可能性があるという異例の事態ですが、野球関係者はこのルール新基準についてどう思っているのでしょうか?
新基準について関係者の声
西武・渡辺シニアディレクター
「それだけ弊害が出ているということ。見直すことは悪いことじゃない」
西武・田辺監督
「ウチとしては当然だと思う。しっかり見直してやってもらいたい」
ロッテ・伊東監督
「今年はこれでやると決めたなら、途中で変えるべきではない。現場も対応できないし、ファンにどう説明するのか」
このように変更を歓迎する声と途中で変えるべきではないという意見が二つに分かれております。
個人的にはシーズン途中でルールを変えるのは反対ですね。
シーズン途中でルール基準を変えてしまうと、変更前のコリジョンルール判定での試合結果と、これから起こる判定での試合結果に公平性がなくなってしまいます。
基準変更は来シーズンからするべきなのではないかと思いますね。
審判の曖昧な判断は改善されるのか?
コリジョンルールは審判にとって適用するかどうか判断がしづらいので、結局相手チームの抗議によるビデオ判定によって、ルール適用となるシーンがほとんどです。
審判がすぐに判断できるような明確な基準がないと、この問題は中々解決できないですよね。
今回検討されている新基準はそんな審判の判断基準を少しは改善できそうな気はします。
捕手はとにかく衝突を起こさないように気をつければ走路に入っても良いことになるのですから、審判は今まで通りのアウトかセーフの判定をするだけですからね。
このコリジョンルールについては審判が本当にかわいそうな気がします。
長年付き合ってきた本塁付近でのルールが今年から変わって、基準が曖昧な中で慣れていないのも手伝って、まっとうな完璧なジャッジをするのはかなり至難の業でしょう。
元々は選手側からの要望でこのルールが始まったのですから、もっと選手側が審判側に寄り添って考えてあげるべきなのではないかと感じます。
まとめ
今年から導入され、これまで様々な賛否が飛び交っているコリジョンルール。
シーズン途中での基準見直しで後半戦のプロ野球にどういった影響がでてくるのでしょうか。
ここまで怪我人が出ていないのはこのルールの最大の成果だと思います。
これまでわかりにくかった判定が、新基準によって誰もが納得できるような判定へと変わっていくのを期待しております。
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