イタリアの名門クラブACミランが中国企業グループと株式70%の売却交渉を進めています。
70%もの株譲渡をする交渉相手の詳細は現在までハッキリとしたことはわかっておりませんが、独占交渉権を取得しているその交渉相手は、ミランの株式を保有しているフィニンベスト社と譲渡に関する条件やチェックなどの細かな打ち合わせを進めているようです。
はたして身売りは成立して、「チャイナ・ミラン」は誕生するのか?
身売りが確定した場合、日本人プレーヤー本田圭佑の去就はどうなるのか?
また監督の交代などはありえるのか?
ACミラン名物会長のベルルスコーニの中国に対しての問題発言なども踏まえて考察してみました。
本田の去就はどうなる?
日本人の我々にとってこの身売り問題で一番気になるのは本田圭佑の去就がどうなるかですよね。
5月29日付のイタリア紙「ガゼッタ・デッロ・スポルト」は
「大所帯の攻撃陣へリストラを進める必要あり」
「ルイス・アドリアーノとバッカ、本田とエムバイ・ニアングの4人については、来シーズンもミランでプレーするかは不確かだ」
と論じています。
2017年の6月で契約が切れる本田圭佑は、今年の4月中旬にミラン側との契約延長交渉を行った際、現行の250万ユーロから200万ユーロへの年俸減額の提示に対して、代理人が拒否したとの報道がされております。
今後は資金力が豊富なプレミアリーグのトッテナムやウエストハムなどのクラブが、夏の市場で本田圭佑に着目するのでは?とも伝えられています。
クラブ側としては契約が残り1年と、今が「売り時」なだけに移籍の可能性というのはかなり高いのではないでしょうか?
また一部ではアメリカのMSL(メジャーリーグサッカー)も候補の一つではないかとも囁かれております。
ひと昔前はプロリーグすらなかったアメリカのMLSですが、近年はリーグの盛り上がりもさることながら、ビッグネームの移籍も盛んになっていることで有名です。
イングランドのベッカム、イタリアのピルロ、ブラジルのカカなど、サッカーファンなら誰でも知っているようなスター選手が近年MLSでプレーをしております。
本田圭佑はサッカーで、選手として以外にもビジネスプランも考えているようで、現在日本で手掛けているサッカースクール事業についての将来プランで、「この教育事業を、タイ、中国、カンボジア、ベトナム、そしてアメリカで展開したい」と語っていました。
今年の6月で30歳になる本田圭佑にとって、近い将来ビジネスチャンスの場になりうるアメリカでのプレーというのは選択肢の一つとして全くあり得ない話しではないように思えます。
このように本田圭佑の去就に関しては様々な情報や憶測が飛び交っており、ハッキリとした答えはまだ先になりそうですね。
個人的にはイングランドプレミアリーグのビッグクラブでのプレーが見たいものです。
リーグはもちろん、CSKAモスクワ時代のようなチャンピオンズリーグでの活躍というのも、もう一度見せてほしいところです。
ミランの監督候補は誰になる?
Sponsored Links
ミランの身売りと同時に監督はどうなるのでしょうか?
現在可能性として挙げられているのが、ベルルスコーニ会長が監督を決めるなら現状のままクリスティアン・ブロッキ監督、株譲渡相手先の中国側が決めるなら、マヌエル・ペジェグリーニかウナイ・エメリが候補となっているようです。
マヌエル・ペジェグリーニ監督は2013-14シーズンにマンチェスター・シティでプレミアリーグとリーグカップ2冠に導いた戦略家で、ウナイ・エメリ監督はスペインのセビージャをUEFAヨーロッパリーグ3連覇に導いた名将です。
マヌエル・ペジェグリーニ監督
ウナイ・エメリ監督
この二人が中国人グループの人選による候補だと言われております。
クリスティアン・ブロッキ監督はベルルスコーニ会長のお気に入りの監督なので、身売り後もベルルスコーニが会長を務めるならそのまま監督続行の可能性が高いとされております。
クリスティアン・ブロッキ監督
このように監督はベルルスコーニ会長次第ということがわかりますね。
もし身売りがされるなら、新しい監督のもとで新生ミランとしての船出を期待したいです。
ベルルスコーニ会長の問題発言で身売りへの影響は?
中国企業グループとの交渉が続いているミランですが、先日ベルルスコーニ会長が中国に対して、「中国人は共産主義者で、かつて子供たちを食べていた。私は、その彼らにミランをあげなければいけないのか?」という問題発言をして世間を騒然とさせております。
現在のところこの発言に対しての中国側の反応はわかっておりませんが、ベルルスコーニ会長は何を意図してこのような発言をしたのでしょうか。
今回の発言以外にもこれまで数々の問題発言で世間を賑わせてきた名物会長なので、本人にとってこれくらいは当たり前の発言といったところなのかもしれませんが…。
このような発言の一方で、「欧州や世界の檜舞台でミランを再び主役の座に引き上げてくれる方々にクラブを譲るべきだと考えている。今、資金をもたらしてくれるのは中国か産油国しかない」とも述べております。
結局はミランの現状を考えれば資金力がある企業への株譲渡には賛成なのでしょう。
中国への問題発言はベルルスコーニ会長にとっては、自分の理想や感情とミランの現実との葛藤から生まれたものだと思われます。
子供っぽい一面があるベルルスコーニ会長らしい発言ともとれますね。
まとめ
1980年代から1990年代にかけて世界を席巻したイタリアの名門クラブACミランの身売り話し。
当時の無敵の黄金時代を知る者としてこのような話しは少し寂しい気がしますが、また新しいミランとして再出発し、かつてのヨーロッパでの活躍を見せてほしいものです。
ミランの身売り交渉は、中国資本グループの独占交渉権が切れる6月15日が、ひとまず大きな山場と見られているようですので、それまでの動向にも要注目です。